阿波和紙の起源は、今から1300年ほど前に遡ります。
忌部族(いんべぞく)という朝廷に仕えていた人たちが阿波の国に入り、麻や楮を植えて紙や布の製造を始めたのが始まりと言われています。
江戸時代には阿波藩の藩札や奉書、画仙紙などの御用紙のほか、特産の藍を使った藍染和紙が全国を席巻し、明治から大正期には全盛期を迎えましたが、第二次世界大戦後は洋風化の波の中で日常生活での需要は洋紙へと移行してきています。
こうした中、専業として活動している1社は昔ながらの阿波和紙の伝統を守り続け、昭和51年(1976年)に国の伝統的工芸品に指定されました。
現在では、写真インクジェット印刷用紙、美術用紙、インテリア用など現代の生活に生きる和紙を幅広く製造するとともに、工房では紙すき体験などを常時受け入れており、次代へと受け継ぐ新しい和紙文化の発信にも取り組んでいます。